【美容コラムVol.18】コラーゲンってなに?

コラーゲンとは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつ。体内に存在しているコラーゲンの総量は、ヒトでは、全タンパク質のほぼ30%を占める程多い。また、コラーゲンは体内で働くだけでなく人間生活に様々に利用されている。コラーゲンはゼラチンの主成分であり、化粧品、医薬品などにも様々に用いられている。
コラーゲンは、様々な結合組織に、力学的な強度を与えるのに役立っている。若干の弾力性もある。特に、腱の主成分は上述のコラーゲン繊維がきちんとすきまなく配列したもので非常に強い力に耐える。腱には、筋肉が発生した引っ張り力を骨などに伝え、運動を起こす際に非常に強い力がかかる。また、骨や軟骨の内部では、びっしりと詰め込まれたコラーゲン細繊維が、骨や軟骨の弾力性を増すのに役立っており、衝撃で骨折などが起こることから守っている。また、皮膚の弾力性や強度に役立っている、などである。
コラーゲンを多く含む健康食品が、しばしば皮膚の張りを保つ、関節の痛みを改善すると謳われ販売されている。しかし、ヒトでの信頼できるほどの有効性は確認されていない。 コラーゲンを含む食品としては、肉類(特に、皮・軟骨・骨・筋。鶏皮、鶏軟骨、スジ肉)、魚類(特に、皮・骨。サケ、うなぎ)、ゼラチン、ゼリー(増粘多糖類ではなくゼラチンで作ったものに限る)が挙げられている。

コラーゲンを配合した化粧品が数多く販売されている。コラーゲンは保湿効果が高いタンパク質であり、コラーゲン分子は3残基ごとに繰り返すグリシン以外の残基がすべて分子表面に露出しており周囲に多くの水分子を保持できる。皮膚表面に塗布することにより、皮膚からの水分の蒸発を抑えるという肌の表皮層に対する潤いの効果は期待できる。ただし、この場合も皮膚に塗布したコラーゲン分子がそのままの形で皮下に吸収・利用されることは考えにくい。

「美肌」「関節痛の予防」を期待してコラーゲンの摂取にこだわるよりも、様々な食品をバランスよく適量摂取し、「栄養・運動・休養 (健康づくりの三要素) 」を見直す方が大切です。この「健康づくりの三要素」こそが、科学的根拠をもって言えることでもあります。特定の成分にかたよった食品を摂取する前に、もう一度自分自身の食事や、生活スタイルなどを振り返ってみましょう。

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